企業の社会的責任CSR(Corporate Social Responsibility)
CSRとは、社会的公正や環境などを配慮しながら、消費者、取引先、投資家、地域社会、従業員などの利害関係者(ステークホルダー)に対して、責任ある行動をとるとともに、説明責任を果たしていくことであるが、単なる社会貢献活動(メセナ)や法令遵守対策にとどまるものではなく、今日の企業戦略における重要施策のひとつであり、経営の中核そのものにあまり得る考え方として認識する必要がある。
CSRと従業員の健康管理問題
CSRにおいては、従業員も利害関係者のひとりとして位置づけられているため、従業員の働き方に十分な考慮を払い、かけがえのない個性や能力を生かせるようにしていくことは、企業にとっての責務であり、従業員に対して責任のある行動を積極的にとる企業は、消費者や投資家から高い評価を受けることになる。
厚生労働省の「労働に関するCSR推進研究会報告書」では、国内外の労働分野におけるCSRの取り組み状況や情報開示のあり方が確認、検討されるとともに、自主点検のためのチェック項目が示された。
- 各現場の労働時間が、健康を害する長時間労働になっていないか
- 経営トップの率先垂範の下に、労働安全衛生対策が企業内で自律的に推進される体制が確立しているか
- 従業員の能力を高めるために、職種等に従業員に求められた能力を分析・把握するとともに、OJTを含めて、教育・研修プログラムの充実に取り組んでいるか
- 従業員の自己啓発を促進するために、教育訓練のための休暇制度の整備や始業・終業時刻の変更など自己啓発を行うための時間を確保できるようにするための措置を実施しているか
SDGs
SDGs(Sustainable Development Goals)は、「持続可能な開発目標」であり、国連総会で17のゴールが示されており、その中に従業員の健康管理について目標が掲げられている。
- あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を増進する(目標3)
- 包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用を促進する(目標8)


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